離婚で受けとった財産には、税金が課せられるものがあります。

離婚後の課税対象についてご説明。

離婚にかかる税金


離婚をして、受け取った慰謝料や財産分与には通常、贈与されたものとして取り扱われないので、贈与税は発生しません。


しかし、財産分与で受けとった財産が以下の条件に当てはまった場合、贈与税が発生します。

  • ・受けとった財産の金額が多すぎる場合
  • ・贈与税、相続税を免れるために離婚をした場合

この2つに該当した場合に、贈与税の課税対象となります。

ただし、受けとった財産の金額が多すぎる場合では、婚姻期間中に夫婦が協力して得た財産よりも多かった場合に課税の対象となるため、受け取る財産分与の金額が夫婦共有で得た財産よりも少なければ、課税対象とはなりません。
その他にも課税されるものとして考慮される点があるので注意が必要です。


また、この贈与税とは別に不動産や土地を財産分与した側とされた側に税金が発生することがあります。

財産分与した側にかかる税金

財産分与した側にかかる税金に、譲渡所得税があります。

譲渡所得税が課せられる条件として、
「不動産を購入した当時の時価と財産分与で不動産を渡した時の時価で不動産の価格が上がっていた時に、購入した当時の時価で財産分与した」というケースがあります。

このような場合、時価の差額に譲渡所得税が課税されます。

また、株式やゴルフ会員権など、所得税法上の「資産」となる財産を分与する場合は「譲渡所得税」が課税されます。

但し、特例として、控除制度があります。

例えば、

  • ・持ち家の場合、3000万円の特別控除
  • ・平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合、1,000万円の特別控除

など、一定の条件を満たせば、特別控除を受ることが可能です。

また、特別控除だけでなく、軽減税率や買換えを行うことも可能です。
しかし、譲渡の相手方が譲渡者の配偶者や親族等である場合には受けることができないので、注意が必要です。


財産分与をされた側にかかる税金

財産分与された側にかかる税金に、不動産所得税があります。

原則「分配された側」に固定資産税評価額の3パーセントかかる不動産取得税が課税されます。

但し、土地を受け取った場合には、固定資産税3パーセントの半分を支払うことになります。

また、建物については、1200万円を固定資産税評価額から控除されることになります。

さらに、所有権を移転する際には、登記免許税というものがかかります。


登記免許税とは?

住宅を購入する際に「この不動産は自身が所有しているものだ」ということを対外的に示さなければなりません。
そのためには、手続きを行う必要があります。

登録免許税とは、この手続きの際に国に収める税金のことをいうのです。

こちらは、所有権を移転する際に法務局で納める必要があります。

上記とは別に、注意すべき点があります。


離婚にまつわる注意するべき税金とは


慰謝料

不貞行為によって離婚し、慰謝料の支払い義務が発生した場合、原則、税金はかかりません。
但し、社会通念上相当の金額を超えた場合には、課税対象となります。


養育費

もし、子どもがいて離婚した場合、養育費が必要になります。

この場合、養育費は、所得税の課税対象にはなりません。


健康保険料

日本には、「国民皆保険」という制度があり、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することが義務付けられています。

婚姻中に扶養に入っている場合は、配偶者の健康保険に加入し、配偶者の保険料が給与から差し引かれます。

しかし、離婚すると扶養から外れるので、「国民健康保険」に加入し、自分で保険料を納める必要があるのです。

新たに加入し、保険料を納めるには、様々な手続きを踏まなければなりません。

手続きの方法が分からない方は、以下を参考に、お住まい市区町村役場で手続きを進めましょう。

また、離婚して収入源がない場合は、実家の親の扶養家族に入るのも一つの方法です。


住民税

もし、婚姻期間中に何らかの収入があった場合、住民税がかかる場合があります。

但し、婚姻期間中に専業主婦(夫)だった場合は、所得税や住民税を納税する必要はありません。

また、シングルマザーもしくはシングルファザーで、ある一定の年収より少ない場合、住民税が非課税になる可能性もあります。

これらの離婚に関わる税金は、離婚後に調べるのではなく、離婚をする前に確認をしておき手続きの準備をしておくことが大事です。
税金対策に不安がある場合には、専門家に相談をして漏れがないようにしましょう。


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