熟年離婚に備える
長年連れ添ってきた夫婦が離婚することを「熟年離婚」といいます。
熟年離婚に至る経緯、夫婦によって様々です。少し例を挙げてみます。
- 長年連れ添ったが、性格の不一致に悩まされるのに疲れてしまった
- 高齢になった家族を介護するのが嫌になってしまった
- 配偶者が定年退職後、ずっと家で一緒にいることに耐えられない
- 子供たちが全員独立したから、それを契機に
- 実はずっと不満を溜めていて、離婚するタイミングを図っていた
では、上記に挙げたような理由でこうした熟年離婚を考える場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
夫婦でいた期間が長かったこと、また、当事者が「熟年」と言われる世代であることから、他の離婚に加えて考えなければならないことがあります。
熟年離婚に備えるためのポイントは以下のようなものです。
- 老後の生活のために資産を確保しておく
- 離婚後の生活を送るため、条件に合った家を探す
- 周囲からの理解と、可能ならば支援を得る
離婚後の生活を行うための資金にまつわることから、考えてみましょう。
通常の離婚の場合もそうですが、まずは離婚に当たって、当面の生活を整えたり、転居を無事に済ませたりするため、まとまった金銭が必要になります。
また、安定した生活のためにも、資金の余裕は大変重要です。
ぎりぎりの経済状況では、年々上昇する健康のリスクが気になります。何かあった場合の対応が難しくなってしまうでしょう。
特に熟年と呼ばれる年齢層の場合は、自分で働いて稼ぐお金を大幅に増やす、ということは、現実的な選択肢ではないことが多いです。
財産分与、年金分割をうまく行い、そこに給与をはじめとした収入を加えて、老後の備えをしておきましょう。
また、このお金の問題と同じぐらい重要なのが、離婚後の生活です。
まずは生活する場所。
持病があるなど、定期的に病院に通わなければならないのなら、かかりつけとして信頼できる医院の近くが良いでしょう。
離婚当初はそうでなくとも、移動が徐々に辛くなることも十分考えられます。
生活に困らない設備が近隣に整っていることはとても大事です。
熟年離婚では、親族の反対が壁になることもありえます。
理解と賛成が得られない場合、支援を得ることも難しくなるでしょう。
そうなると、住む場所の選択肢はさらに狭くなると考えた方が無難です。
生活の全てを自分でできるならそれに越したことはありませんが、親族、特にお子さんからの支援や応援があると、とても心強いと思います。
離婚してしまえば、基本的には一人で生活を送っていくことになります。
老後の生活もひとりでは味気ないものです。生活していくときには、寂しいと感じる自分のメンタルの面倒も見てあげなくてはなりません。
そんなとき、身内からの支援は、金銭面、生活面ではもちろん、精神面でも大きな助けになるでしょう。
熟年離婚では、他の離婚以上に、離婚後の生活をシビアに予想する必要があり、準備を怠ることは出来ません。