浮気調査を依頼する前に知っておきたい基礎知識
夫や妻が浮気していると思っても、どうやって証拠を取るかは誰でも悩むところ。どんな証拠が有効なのか、どんな点に注意すべきかを、調査依頼する前に知っておきましょう。
不貞の証拠とは?
いつの時代でも夫婦関係が破綻する原因の代表である「不貞行為」ですが、これは法律的には肉体関係をもった浮気だとされています。つまり調停や裁判で使える決定的な不貞の証拠とは、夫(または妻)が見知らぬ異性と一緒に食事をしている写真だけでは十分といえません。
- 浮気相手と一緒にラブホテルに入る、または出る瞬間の写真
- 浮気相手と車の中で性行為に及んでいる写真
などがあれば決定的な不貞の証拠とみなされることになります。さらに、その不貞行為が一度きりのものではなく、継続性のあるものだと示すことができれば証拠能力が強まって有利になります。
たとえばよくある例で説明しますと、夫が愛人の自宅に頻繁に通っているケース。こんな場合は、ただ夫が女性の家に入っていくところを撮影しただけでは「仕事上の相談だから10分くらいで出てきた」と反論されてしまい、決定的な不貞の証拠として不十分です。
- 夫が女性宅に入ってから、さらに出てくるところも撮影する
- 女性が出入りするところも撮影する
- その証拠を1日だけでなく複数日にわたって撮影する
というような場面を押さえることができれば、たとえラブホテルなどへ行かなくても不貞の証拠として強力なものになります。逆に、盗聴による録音等、違法な手段による証拠は、裁判所などから直接の証拠として認められない場合も
あります。
また、 ねつ造が簡単にできるデータも原則として証拠能力がありません。
それでは直接の証拠以外は全く無意味なのかといえば、そうとも言い切れません。ホテルの領収書などのように単独では弱い証拠でも、矛盾なく積み重なれば有効な証拠になることもあります。状況証拠を浮気している本人に突きつけることで相手が事実を白状し、それを記録しておけば有利な条件で解決できる可能性もあります。
不貞の現場を押さえる以外に、たとえば夫からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)の証拠も、医師の診断書を取るなどしておけば調停や裁判になった場合の大きな助けになってくれます。
結局のところ、有利に離婚をすすめようと思えば「相手の有責性」をどのように証明するかがポイントになってくる訳です。自分で対象者を尾行して張り込みまですることはお勧めできませんが、日常生活の中で見付けた不貞の証拠は、できるだけ自分で残しておくよう努力しましょう(同居している場合は、相手に気付かれないよう細心の注意を払ってください)。
浮気の兆候
ここでは、浮気の兆候と思われる挙動の一覧をまとめてみました。参考としてお使いください。
- 妙にやさしくなった
- こちらの行き先や帰宅時刻を聞いてくるようになった
- 芸能人の好みが変わった
- 流行を追うようになった
- 服装の趣味が変わった
- 仕事が忙しくなったという割に給料が増えていない
- 心当たりの無い飲食店や宿泊施設の領収書がある
- 帰宅後、すぐに入浴するようになった
- 自宅で携帯電話に着信があってもすぐに出ない
- 自宅でも携帯電話を常に離さなくなった
- 自宅に無言電話が増えた
- すぐに怒り出す、または暴力をふるうようになった
- タバコを買うなどと言って短時間の外出が増えた
- 車の走行メーターが不自然に増えている
- 車の中に女性のものと思われる毛髪が落ちていた
- 車の灰皿に普段とは違う銘柄の吸殻が入っていた
- 車の中を頻繁に掃除するようになった
- 心当たりの無いイニシャルの入った小物をみつけた
- 性交渉の頻度が変わった(減った)
- 避妊具の数が減っている
- 携帯電話の履歴を消すようになった
- 掃除をするため部屋に入っただけでひどく怒る
こんなものが証拠になる
※無理に携帯電話を見たり手帳を覗いたりすると、相手の警戒心を高めてしまう場合があります。その後の調査に悪影響をおよぼさないよう、充分にご注意ください。
領収書 | 日時、支払い内容まで詳細にチェックしておく。 |
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写真 | もちろん浮気相手と二人きりで写っていればベスト。 |
手紙 | 浮気相手からと思われる手紙は残しておく(相手の自筆だと効果的)。 |
手帳・メモ | ラブホテルの料金や外泊した日付などがメモされていることもある。たいていの場合、ホテル名は頭文字の略称で書かれていることが多いが、対象者の行動範囲にあるホテル名を片っ端から調べれば判明する可能性は高い。たとえば「桃色のラクダ」→「MR」 「パークヒルズ」→「PH」など。 |
相手に気付かれるような行動は厳禁
いくら証拠集めが大事だからといって、相手に気付かれてしまうような方法は、勧めできません。
- 自分で夫(妻)を尾行してバレた
- パソコンのメールを盗み見たことを告げて、ロックをかけられた
- あまりに行き先をしつこく聞いて警戒された
- 携帯電話の履歴にあった番号へしつこく電話して、電話番号を変えられた。
焦るあまり、このような行動に出れば相手はもちろん警戒しますから、この後に探偵へ調査依頼したとしても満足な証拠が得られなくなる危険があります。
浮気しているかどうかという判断のみを自分でおこない、行動調査はプロにお任せするのが最も賢い方法だと思います。